昨日のつづき
座長のお話の後に、小休止があり、両国から各5名のパネリストの発表がありました。
日本側のパネリストは、生け花の池坊次期家元の池坊由紀さん、アルゲリッチ芸術振興財団副理事長の伊藤京子さん(ピアニスト)、NHKグローバルメディアサービス・バイリンガルセンター長の江口義孝さん、東京現代美術館チーフキュレーターの長谷川祐子さん、政策研究大学院教授の細野昭雄さんでした。
この中で、池坊由紀さんのお話は、大そうアルゼンチン側の興味をひいたようです。 池坊の生け花教室は、ブエノスアイレスにも支部があるそうで、日系の方のみならずアルゼンチン人の生徒さんもいるそうです。 アルゼンチンの方々が特に興味を持っているのは、お花の生け方というよりも、生け花の持つコンセプトなんだそうです。 例えば、生け花において数字の3が重視される点、奇数が意味するところ、2で割り切れない数字は完結しない数字で、完結していない部分を補う行為(想像するとか、自分が完全でないことを認知するとか)が必要とされることが大事だという点は、なかなか欧米にはない考え方のようです。 また、生け花では、綺麗なお花だけを生けるのではなくて、花のない木、時には枯れ木を、また緑を、時には虫の食った葉なども活用しますが、それは、生け花の中には、生あるものを全て認め愛しむという考え方があり、綺麗なお花や葉っぱのみを使うフラワー・アレンジメントとは違う点なのだそうです。(私も昔、草月流の生け花を習ったことありますが、こういう考えを踏まえて習っていたら、もう少し違っていたのかな~。ま、私の場合、あまりセンスがないから、いずれにしてもダメだったでしょうが。)
私が他に興味を持ったのは、東京現代美術館チーフキュレーターの長谷川祐子さんが、スライドで解説してくれた、アルゼンチンのアーティストの作品でした。 が、紹介された作品は、いわゆるアルゼンチンぽい感じの作品というよりかは、現代的でインターナショナルな感覚に溢れ、かつ個性的な作品でした。 また、NHKグローバルメディアサービス・バイリンガルセンター長の江口義孝さんのお話の中においては、これからは南米の人気ドラマや優良番組をNHKが買い付けたり、番組を共同開発していきたいとおっしゃっていました。 今までNHKは自前のスタッフと企画で番組を制作することが多く、それには相当な金額がかかっていたそうです。 それよりも、番組の買い付けや共同開発の方が、費用が安く済むのだそうです。 テレビ番組というのは、本当に人々の生活に密着していて、例えば日韓の文化交流の為に長年働いていた方が、自分たちの数十年の努力は、たった1本の韓国の人気ドラマ“冬のソナタ”に及ばなかったとおっしゃったそうです。 (フーン、確かに南米のドラマとか見たいですよね!)
アルゼンチン側のパネリストは、ブエノスアイレス大学哲文学部文学科長のアメリコ・クリストファロさん、イベロアメリカ大学網会長のベルナルド・クリクスバーグさん、ブエノスアイレス大学社会科学部長のフェデリコ・シュステルさん、ピアニストで作曲家のリリアン・サバさんでした。スペイン語の発表をイヤホンを通して同時通訳で聞くことが出来たのですが、スペイン語と日本語を同時に聞くことに慣れていなかったせいか、結構難しかったです。ブエノスアイレス大学文学科長のアメリコ・クリストファロさんと社会科学部長のフェデリコ・シュステルさんはお二人とも、日本とアルゼンチンの両国はとても違った文化を持っている中に、時には共通点があったりすることもあるとおっしゃっていました。 また、日本でアルゼンチンの文化に大変熱心に興味をもって取り組んでいる人々もいるし、その証拠には2009年のアルゼンチン・タンゴ選手権で日本人のカップルが優勝をしたり、良い成績をおさめていることも嬉しいことであるとふれていらっしゃいました。 今後両国の文化交流が進められる為には、アルゼンチンにおいても日本語を学べる機関の充実も必要だと思われるとのことでした。 日本においても、スペイン語を学ぶ人が増え、ラテンアメリカの文化が日本の人々にもう少し身近なものになることを期待しているともおっしゃっていました。 イベロアメリカ大学網会長のベルナルド・クリクスバーグさんは、人類は、これだけテクノロジーが発達し便利な時代を迎えながらも、非常に困難な時期に直面していると厳しい口調でお話になられました。 ハイチの地震で図らずも南米の貧困状況は世界的に明るみになり、アルゼンチンにおいても貧富の差は相変わらず縮まることはない中、今後アルゼンチンは日本に学ぶことが多いことが分かったとおっしゃいました。 日本は世界中で最も識字者の%が高い国で、その事は貧富の格差を少なくしている要因であると思われます。 日本の様々な教育・文化システムをアルゼンチンも模範として取り入れていくべきであるとおっしゃいました。(日本はアメリカや欧米の国々のシステムをモデルにしていることが多いと思いますが、そのシステムが結構うまく運営されているということなのでしょうか?) そして最後には、アルゼンチンのピアニスト・作曲家のリリアン・サバさんがミロンガを1曲演奏してくださいました。この時演奏されたミロンガは、私がよくタンゴの1つのカテゴリーとして聴くリズムの速いミロンガと違って、ロマンチックで壮大な感じの曲で、新たな発見がありました。 サバさんがフォルクローレの教授としても活躍していらっしゃるのがうなずけました。 そして、2時間にわたるパネリストの方々のお話を一生懸命聞いて、少々疲れてしまった私には、最後にサバさんのピアノ音色が本当に癒しになりました~。
座長のお話の後に、小休止があり、両国から各5名のパネリストの発表がありました。
日本側のパネリストは、生け花の池坊次期家元の池坊由紀さん、アルゲリッチ芸術振興財団副理事長の伊藤京子さん(ピアニスト)、NHKグローバルメディアサービス・バイリンガルセンター長の江口義孝さん、東京現代美術館チーフキュレーターの長谷川祐子さん、政策研究大学院教授の細野昭雄さんでした。
この中で、池坊由紀さんのお話は、大そうアルゼンチン側の興味をひいたようです。 池坊の生け花教室は、ブエノスアイレスにも支部があるそうで、日系の方のみならずアルゼンチン人の生徒さんもいるそうです。 アルゼンチンの方々が特に興味を持っているのは、お花の生け方というよりも、生け花の持つコンセプトなんだそうです。 例えば、生け花において数字の3が重視される点、奇数が意味するところ、2で割り切れない数字は完結しない数字で、完結していない部分を補う行為(想像するとか、自分が完全でないことを認知するとか)が必要とされることが大事だという点は、なかなか欧米にはない考え方のようです。 また、生け花では、綺麗なお花だけを生けるのではなくて、花のない木、時には枯れ木を、また緑を、時には虫の食った葉なども活用しますが、それは、生け花の中には、生あるものを全て認め愛しむという考え方があり、綺麗なお花や葉っぱのみを使うフラワー・アレンジメントとは違う点なのだそうです。(私も昔、草月流の生け花を習ったことありますが、こういう考えを踏まえて習っていたら、もう少し違っていたのかな~。ま、私の場合、あまりセンスがないから、いずれにしてもダメだったでしょうが。)
私が他に興味を持ったのは、東京現代美術館チーフキュレーターの長谷川祐子さんが、スライドで解説してくれた、アルゼンチンのアーティストの作品でした。 が、紹介された作品は、いわゆるアルゼンチンぽい感じの作品というよりかは、現代的でインターナショナルな感覚に溢れ、かつ個性的な作品でした。 また、NHKグローバルメディアサービス・バイリンガルセンター長の江口義孝さんのお話の中においては、これからは南米の人気ドラマや優良番組をNHKが買い付けたり、番組を共同開発していきたいとおっしゃっていました。 今までNHKは自前のスタッフと企画で番組を制作することが多く、それには相当な金額がかかっていたそうです。 それよりも、番組の買い付けや共同開発の方が、費用が安く済むのだそうです。 テレビ番組というのは、本当に人々の生活に密着していて、例えば日韓の文化交流の為に長年働いていた方が、自分たちの数十年の努力は、たった1本の韓国の人気ドラマ“冬のソナタ”に及ばなかったとおっしゃったそうです。 (フーン、確かに南米のドラマとか見たいですよね!)
アルゼンチン側のパネリストは、ブエノスアイレス大学哲文学部文学科長のアメリコ・クリストファロさん、イベロアメリカ大学網会長のベルナルド・クリクスバーグさん、ブエノスアイレス大学社会科学部長のフェデリコ・シュステルさん、ピアニストで作曲家のリリアン・サバさんでした。スペイン語の発表をイヤホンを通して同時通訳で聞くことが出来たのですが、スペイン語と日本語を同時に聞くことに慣れていなかったせいか、結構難しかったです。ブエノスアイレス大学文学科長のアメリコ・クリストファロさんと社会科学部長のフェデリコ・シュステルさんはお二人とも、日本とアルゼンチンの両国はとても違った文化を持っている中に、時には共通点があったりすることもあるとおっしゃっていました。 また、日本でアルゼンチンの文化に大変熱心に興味をもって取り組んでいる人々もいるし、その証拠には2009年のアルゼンチン・タンゴ選手権で日本人のカップルが優勝をしたり、良い成績をおさめていることも嬉しいことであるとふれていらっしゃいました。 今後両国の文化交流が進められる為には、アルゼンチンにおいても日本語を学べる機関の充実も必要だと思われるとのことでした。 日本においても、スペイン語を学ぶ人が増え、ラテンアメリカの文化が日本の人々にもう少し身近なものになることを期待しているともおっしゃっていました。 イベロアメリカ大学網会長のベルナルド・クリクスバーグさんは、人類は、これだけテクノロジーが発達し便利な時代を迎えながらも、非常に困難な時期に直面していると厳しい口調でお話になられました。 ハイチの地震で図らずも南米の貧困状況は世界的に明るみになり、アルゼンチンにおいても貧富の差は相変わらず縮まることはない中、今後アルゼンチンは日本に学ぶことが多いことが分かったとおっしゃいました。 日本は世界中で最も識字者の%が高い国で、その事は貧富の格差を少なくしている要因であると思われます。 日本の様々な教育・文化システムをアルゼンチンも模範として取り入れていくべきであるとおっしゃいました。(日本はアメリカや欧米の国々のシステムをモデルにしていることが多いと思いますが、そのシステムが結構うまく運営されているということなのでしょうか?) そして最後には、アルゼンチンのピアニスト・作曲家のリリアン・サバさんがミロンガを1曲演奏してくださいました。この時演奏されたミロンガは、私がよくタンゴの1つのカテゴリーとして聴くリズムの速いミロンガと違って、ロマンチックで壮大な感じの曲で、新たな発見がありました。 サバさんがフォルクローレの教授としても活躍していらっしゃるのがうなずけました。 そして、2時間にわたるパネリストの方々のお話を一生懸命聞いて、少々疲れてしまった私には、最後にサバさんのピアノ音色が本当に癒しになりました~。
0 件のコメント:
コメントを投稿