2010年4月25日日曜日

カルロス・リバローラ (アルゼンチン・タンゴ ダンサー)


神業で神技にあらず! ステキの一言でした!!

4月も20日を過ぎてしまいました。 つまり随分とブログをアップしていなかったのですが、単にさぼっていたダケです。
ところで、先週の火曜日に渋谷で友人と食事をし、何気にその友人と渋谷の文化村をウロウロして、“カルロス・サウラ監督の新しい映画をやっているねー”と言って、オーッ文化村の映画館は火曜日は1000円ダー!と気付き突然2人で“ドン・ジョヴァンニ”という新作を観ました。

http://www.don-giovanni.jp/
この映画は、モーツァルトのオペラ“ドン・ジョヴァンニ”の台本を書いた、イタリア人のロレンツォ・ダ・ポンテが主人公で、彼がどうやってモーツァルトと出会い、どのようにこの作品を作ったのかというお話です。モーツァルトが主人公ではない音楽映画なのです。私の感想としては、何か心に迫るような映画ではありませんが、色々な意味で(音楽、衣装、時代背景など)楽しめる映画だと思いました。
映画を一緒に観た私の友人は長年映画に携わる仕事をしてきたので、もちろん国内・国外を問わず沢山の監督や俳優さんのことを知っていますが、私は普通に映画は好きだけどそんなに詳しいわけでもありません。ないのになぜカルロス・サウラ監督に反応したかわかりますか?(カルロス・サウラ監督は世界的な有名監督だけど、誰もが知っているようなメジャー監督というわけではないと思います。)
それは、カルロス・サウラ監督がアルゼンチン・タンゴを題材にした“タンゴ”という映画を作っていたからです。 カルロス・サウラ監督は、スペイン人の監督で、“血の婚礼”、“カルメン”や“ゴヤ”などの作品の方が知られているかもしれません。 これらの作品の中で“ゴヤ”は見ていませんが、私が知る限りでは、この監督の作品では音楽やダンスが非常に作品の中で大事な位置を占めます。 というか音楽映画と言ってよいでしょう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%A9
話を映画“タンゴ”に戻すと、この映画は10年以上前のもので、私がアルゼンチン・タンゴのダンスを習う前に日本でも公開されましが、私は映画の公開さえも知らなくて、ダンスを習うようになってから、DVDを買いました。 話の内容は、アルゼンチン人の離婚をしたばかりの傷心の映画監督が、アルゼンチンの歴史の一部をタンゴの音楽とダンスを取り入れてミュージカル風に作り上げる話です。 そして出演者の中に3人のアルゼンチンが誇るダンサーがいます。1人はバレーダンサーのフリオ・ボッカ、あとの2人はタンゴ・ダンサーのファン・カルロス・コペスとカルロス・リバローラです。 そして、そのカルロス・リバローラ マエストロが、4月に日本に来日していて、私が普段タンゴ・ダンスを習っている恵比寿のスタジオで、レッスンをしたり、ミロンガというダンス・パーティーにいらしていました。 私はレッスンを受けませんでしたが、ミロンガに行って、リバローラ マエストロを初めて見ました。 上の写真は、その時に私のDVDにサインを頂いたものです。(見にくいかもしれませんが・・・。)わざわざサインまで貰って、ファンだったのかといえば、実はそうではありませんでした。 カルロス・リバローラが一躍有名になったのは、タンゴ・アルヘンティーノというタンゴショーのメイン・ダンサーだったからだと思いますが、このショーが世界的なツアーをしていたのは(日本にも来ていました。)、1980年代のことなのです。 その頃の私は何が好きだったんだろ??? 少なくともアルゼンチン・タンゴが好きだったわけではありません。 だからリバローラ マエストロのダンスを見たのはこの映画が初めてだったと思うのですが、昨今日本にはアルゼンチンから凄いダンサーが来日して、それをナマで見る機会も多いので、映画の中のマエストロの踊りが凄いな~とは思っていなかったのです。                                                      で、いざ、実際のマエストロは。 まず、私がスタジオに到着した時、マエストロはお友達とか生徒さんと座って歓談していました. 印象は普通のジェントルマンといった感じ。その後、“今日はリバローラ マエストロがいらしています”と紹介があって、マエストロが簡単な挨拶をしたんですが、アレー、見かけによらず、結構声が高い・・・。ちょっと想像していたのと違うな・・・。と思っていたら、マエストロが生徒さんらしき女性と踊り始めました。すると・・・、オオッー、マエストロが踊っているところに、まるでスポットライトが当たっているかのような・・・。思わず目を奪われました。 それもマエストロは特別な足技や目を見張るような早いステップを踏むとか、そんなことは一切なくて、単に音楽にあわせてゆっくり踊っているだけ、歩いているだけみたいなもんなんですよ! でもそこには何ともいえないステキな雰囲気がただよっているのです。 マエストロは、外見は普通の中年外国人男性ですけど、いざタンゴの音楽に合わせてゆっくり歩くように踊ると、そこには別格の世界観が広がるのです。 ヒェー! 凄い!! これこそ、神業であり、神技ではないのです。カルロス・リバローラ マエストロは、アルゼンチン・タンゴをもちろん愛していると思いますが、アルゼンチン・タンゴも彼をこよなく愛しているんでしょうね。 羨ましい!
アルゼンチン・タンゴの素晴らしさを改めてかみしめたのでした。